離散周期構造において励起される安定な局在振動は非線形局在モード(ILM)とよばれ、今日、系自身の離散性と系に内在する非線形性により励起される普遍的な非線形振動として認知されている。ILMに関する研究はこれまでに様々な離散周期系を対象として広く行われているが、その多くは解析や数値計算を中心とした理論研究であり、実験研究は極めて少ないのが現状である。本研究では、力と伸びの関係が強い非線形性を示すメカニカルなバネ(非線形バネ)および、この非線形バネと多数のおもり、加振装置からなるシンプルな連成振動子列(非線形格子)を作成してモード励起実験をおこない、移動型ILMの励起に成功した。
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