高度に絡み合った高分子系の平衡構造と粘弾性特性を記述する自己無撞着場理論の開発を行った。任意の非平衡のボンド分布に対応した自己無撞着場理論の定式化するために、ボンド配向に対応するベクトル秩序パラメタおよびテンソル秩序パラメタを導入した。テンソル秩序パラメタの効果を摂動として自己無撞着ポテンシャルに繰り込んだ理論体系を構築し、絡み合ったブロック共重合体のメソフェーズの粘弾性特性の再現に成功した。次に、環状高分子の濃厚系に対して絡み目不変量を用いた自己無撞着場理論をシミュレートしたが、スキームの収束性が非常に悪いため、従来にはないベクトル場およびテンソル場の更新のアルゴリズムを提案するに至った。
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