2010年チリ地震と2011年東北沖地震による太平洋を横断する津波は、数値津波シミュレーションより、系統的に最大15分遅れ、遠地点では反転した津波初動が観測された。測定された津波の位相速度は逆分散性を示し、1000秒より長い周期帯では遅くなっていた。これらは重力・弾性結合した津波の津波の位相速度と一致しており、海水の疎密、弾性地球の加重変形、津波の伝播時の地球重力場の変動の影響であることが示された。新たな津波シミュレーション法を開発し、その波形は、遠地における初期反転位相を含む津波観測波形を正確に再現した。観測波形とシミュレーション波形の走時差は5分以下に縮小し、波形の差異は驚く程減少した。
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