研究課題/領域番号 |
24654147
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
蜷川 清隆 岡山理科大学, 理学部, 教授 (80098590)
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研究分担者 |
豊田 新 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40207650)
中川 益生 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70148683)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 地震予知 / 海底 / ラドン |
研究概要 |
今年度は、まず(1)NaIからのγ線データを記録するγ線データロガーを作製した。次に(2)電池及びこのγ線データロガーを入れて設置できるように学内にある耐圧容器内部を改造した。電池は当初単一形であるLi一次電池を使用する計画であったが、使い捨て、高価、数多く耐圧容器に入らない点を鑑みて、単三形で充電式であるニッケル水素電池を使用するように変更した。(3)海洋研究開発機構から提供を受けている耐圧容器に入った海底計測用NaIガンマ線分光装置と水中コネクターで接続できるよう変更した。(4)この接続した2つ大きな耐圧容器を網で絡め、岡山県倉敷市内のある貯水槽に沈め、1週間、環境のγ線測定をおこなった。その結果、耐圧容器内への水漏れはなく、更に地上にあるときと貯水槽に沈めたときとでは異なった環境γ線の状況であることを確認した。しかし、(5)Cs-137, KCl, モザナイト等の標準試料を用いてγ線データロガーを介してのデータ集積、及び解析実験をおこなったが、パソコンで直接NaIからのγ線データを解析した結果と一部異なった結果をなった。(6)その原因を、調べたところ、NaIからのRS-232C信号がγ線検出の度に任意に出力されている為だと判明した。 海底設置型ガンマ線分光装置の設置地点の検討はほとんど進んでいない。現在、平成25年度の海洋研究開発機構の航海計画を見て、予備調査のための航海、ガンマ線分光装置を海底に設置して測定できるよう公募に応募する等検討していく予定である。 検出器の校正も、γ線データロガーが完成していないので、本学に設置されている花崗岩製のキャリブレーションブロックを用いてこの測定を行って、検出器を校正することはできなかった。 データ処理方法は、現在海洋研究開発機構が使っている市販のPHAS, WINDOSE, PLFIWを用いて解析することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までの達成度は80%、多方順調と考えられる。残りの20%の誤算は「NaIからのRS-232C信号がγ線検出の応じて任意に出力されていた」ために記憶されたγ線データがγ線解析ソフトPHASで解析しても、正確なγ線スペクトルにならないかったことである。
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今後の研究の推進方策 |
まず「NaIからのRS-232C信号がγ線検出の度に任意に出力されている」ので、γ線パルスの出力時間情報をなんらかの形でγ線データロガーに記憶させる計画である。次にこの時間情報に従ってγ線データロガーからRS-232C信号を再生させて解析ソフトPHASで解析させるようにし、また同時並行に直接次段の解析ソフトWINDOSEの解析に叶うようにデータを変換するソフトを新しく開発することを考えている。 その後、海洋研究開発機構の航海計画の可能な範囲内で、予備調査のための航海、ガンマ線分光装置の海底設置の航海をして海底中のラドン濃度の時間変化測定をおこなう予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費は、まず「γ線データロガーに時間情報を組み込む用改良すること」、「直接次段の解析ソフトWINDOSEの解析に叶うデータに変換するソフトを新しく開発こと」に使う予定である。また、ニッケル水素電池eneloop proを追加購入する予定である。予備調査のための航海、ガンマ線分光装置の海底設置の航海に行く為の旅費に使う予定である。
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