研究課題/領域番号 |
24654148
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤吉 康志 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40142749)
|
研究分担者 |
山口 一 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (20166622)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 海氷 / レーダ / 航空機 |
研究概要 |
寒冷海洋域での海氷の長期変動を予測するためには、海氷面積と同時に厚さの情報が必要不可欠であるが、未だ現場測定以外決定版は無い。我々は、オホーツク沿岸の紋別市大山頂上に設置した、北海道大学低温科学研究所のドップラーレーダを用いて、冬季には海氷観測モードで海氷面積や海氷域の短時間変動を観測した。本レーダは3次元走査が可能であるので、海氷の3次元立体表示を行ったところ、海氷域の凹凸が表示された。今季は接岸した海氷量が多く、高品質なデータの取得に成功した。また、単なるレーダ反射強度しか測定できないレーダでは、強風時の海面はシークラッターが発生するため流氷域の検出極めて困難であった。一方、我々が使っているドップラーレーダで測定できる情報のうちドップラースペクトル幅が、強風時の流氷検出に極めて有効であることが実証された。これによって、雲の有無、風の有無、降雪の有無によらずほぼ全天候に対応して流氷の検出が可能となり、オホーツク海ばかりではなく将来の北極海の安全航行を見据えた短時間・高精度流氷探知および予測技術はますます重要性と需要が高まることが期待される。その成果は論文として公表しプレス発表を行い、NHKなど地元メディアにも放送されるなど大きな反響があった。 一方、航空機測量との同期観測は、事前に飛行経路、飛行高度、撮影間隔などについて綿密な検討を行っていたが、あいにく、測量に用いる機体整備の時期が海氷接岸時期と重なったこと、さらに、撮影に用いる高性能カメラも同時期に機種交換することとなったため、平成24年度の冬季での測量は不可能となった。そこで、航空機測量経費は繰り越して、平成25年度の冬季にレーダとの同期観測を実施することにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
測量に用いる機体整備の時期が海氷接岸時期と重なったこと、さらに、撮影に用いる高性能カメラも同時期に機種交換することとなったため、平成24年度の冬季での測量は不可能となった。そこで、航空機測量経費は繰り越して、平成25年度の冬季にレーダとの同期観測を実施することにした。
|
今後の研究の推進方策 |
海氷観測を行うドップラーレーダについては、通常通り整備を行い冬季の観測に備えている。平成25年度に実施する航空機測量については、測定方法については既に十分な検討を行っているので、後は、冬季の海氷接岸時に航空機測量を実施するのみである。
|
次年度の研究費の使用計画 |
測量に用いる機体整備の時期が海氷接岸時期と重なったこと、さらに、撮影に用いる高性能カメラも同時期に機種交換することとなったため、平成24年度の冬季での測量は不可能となった。そこで、航空機測量経費は繰り越して、平成25年度の冬季にレーダとの同期観測を実施する。
|