大西洋熱帯域で発生する大西洋ニーニョ現象は、南米やアフリカに異常気象をもたらすことが知られている。この現象の発生を予測することができれば、その影響を軽減することも可能となるが、その予測は困難であった。そこで、本研究では、大西洋熱帯域における再現性が高い大気海洋結合モデル(UTCM)を用いて、アンサンブル予測実験を行い、世界初の大西洋ニーニョ現象の予測成功にチャレンジした。季節予報の研究分野では、相関係数が0.6以上ある場合に予測可能であるとするが、この基準で判断すると、最大2ヶ月先まで予測可能であることが示された。また、予測精度の向上に向けて、初期値データの精度に関する研究も行った。
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