研究課題/領域番号 |
24654151
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
立花 義裕 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (10276785)
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研究分担者 |
小田巻 実 三重大学, 生物資源学研究科, 研究員 (60624533)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 颪風 / GPSゾンデ / 局地風 / 山岳波 / 同時観測 |
研究概要 |
研究代表者の発案によるGPSゾンデ観測の革新的手法である,多数のGPSゾンデ同時放球による海陸拡張型狭域移動観測を地上の多点観測点と海上の三重大学練習船を同時に用いることで得られた,時空間的に稠密な気象観測データにより,おろし風の立体構造の実態とそれが海洋へ及ぼす影響を把握することが目的である。 本研究で提案する観測手法は,複数の気象要素を直接観測できるGPSゾンデを技巧的に用いるため,直接観測によるおろし風の鉛直・水平2次元構造の記述を可能とする.これは従来のおろし風の観測に無い特筆すべき特徴である.さらに地上のみならず海上での観測も行う予定のため,山脈の風上から風下そして海上へかけての包括的な大気の流れの把握を行うことができると予想される.これらの予備的な観測(テスト放球)を研究開始年度直前に実施した。今年度はその観測結果の予備的な解析を実施した。 鈴鹿おろしは,北西または西風の大規模風が卓越する際に発生する。予備観測では,鈴鹿おろしとほぼ平行に観測ラインを設定し,上流から下流にかけての陸上の5地点で同時に上空の大気を直接観測した。GPSゾンデ観測は風船の流跡線上の観測値を得る事ができ、観測時の大気の鉛直水平構造を断面的に記述することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予備的な観測を2011年年度末に実施したが、その結果からこれまでの観測からは得ることが出来ない様々な颪風に関する観測的事実を見いだすことが出来た。そこで、24年度度は、予備観測の結果の詳細な解析を実施し、当該目的を達成することに重点をおいた。また、数値実験にも着手した。 特にハイドローリックジャンプ現象を多点のラジオゾンデ観測によってとらえることができ、重要な成果を得ることが出来た。また、ハイドローリックジャンプ現象以外の場合でも強風がおこることが観測から示すことが出来、新知見が得られつつある。 また、再解析データや気象庁の地上観測網のデータ,数値予報モデルの結果などから鈴鹿颪の概略を掴みつつあり、データ解析を通じて鈴鹿颪吹走時の大気場のパターンを推定しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
予備的な観測から意外な成果が出つつある。従って、予備的な観測のみから、十分な成果が出る可能性が高い。従って、25年度は、本観測を実施するかどうかについても、予備観測の成果の進展をにらみつつなるべく早い時期に決定する。本観測を実施する場合は、予備観測の不備な点を改善させた観測を実施し、予備観測で十分と判断された場合は、研究を数値実験での検証や既存のデータを用いた過去の事例との比較検討へと研究のスタイルをシフトさせる。また、研究を支援する技術者や研究補助員などの雇用なども検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
前項でも記述したように、予備観測で意外な成果が出つつあり、24年度には観測を実施しなかった。その成果をふまえ25年度の計画を臨機応変柔軟に対応する予定である。25年度に観測実施することとなった場合は、その経費の多くを観測に付随する経費に回す。観測を実施しない場合は、その経費から、研究を支援する技術者や研究補助員などの雇用の経費等の充実をはかり、研究成果を充実させる。鈴鹿おろしの存在や,気象現象について一般に普及するため,Webページを用いた情報の公開も検討する。Webページの作成やネットによる発信には民間企業への外注もしくは,大学院生の雇用を予定している.
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