研究課題
本研究は超臨界水発生装置を利用して、次の3つの目的を掲げて行った:(1)水を超~亜臨界状態にすること、(2)超~亜臨界状態の水の中で点接触変形を起こすこと(3)溶解量を適切に測定すること。(1)について:ほぼ目的を達成・・・超臨界水発生装置とは、一種の圧力容器のことである。圧力のコントロールは比較的容易にできる。一方、温度については、電気炉の設定温度と高圧ベッセル内の温度が同じように推移しないので、若干の問題を抱えていたが、集中的検討により、ほぼコントロールしたと言えるレベルに到達した。その上で、高圧ベッセル内に最高温度500℃、最高圧力40MPaを発生させることができた。(2)について・・・亜臨界状態の中で石英に特製ルビー圧子を押しつけて溶解実験を行った。温度は350℃、圧力は40MPaである。その試料には点接触変形を行った部分も含むようにした。すなわち、一つの石英試料で、3種類の溶解場所(○1点接触変形を受けていない表面、○2超微小硬度計で点接触変形を受けた表面で、亜臨界状態では点接触変形はしていない部分、○3亜臨界状態で点接触変形を受けた表面)を設定した。亜臨界状態では点接触変形をしない場所も同時に調べられるようにした。その結果,溶解速度は、○1→○2→○3の順で早くなっていることを確認した。(3)について・・・29mN~4.9Nの最大荷重で作った圧痕を350℃、40MPaの条件下で溶解させた石英試料について、レーザー顕微鏡を駆使して、溶解部の体積を測定した。圧痕を形成した最大荷重をlog(横軸)に、溶解した体積をlog(縦軸)に取ってプロットすると、直線上に並ぶことがわかった。(4)当初の研究課題に加えて、石英試料がどのくらい低温まで高速溶解を行うのかを検討した。その結果、250℃では、明らかに高速溶解が起こることがわかった。
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Journal of Volcanology and Geothermal Research
巻: 270 ページ: 90-98
:10.1016/j.jvolgeores.2013.11.017