研究課題/領域番号 |
24654165
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
横川 美和 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (30240188)
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研究分担者 |
泉 典洋 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10260530)
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キーワード | スパイラルトラフ / 火星北極冠 / カタバ風 / 界面波 / サイクリックステップ / 混濁流 / アナログ実験 / 安定解析 |
研究概要 |
平成25年度は以下の事を行った.1.深海海底谷でのみ観測されていた混濁流によるサイクリックステップの形成と同じ現象が,カナダ・ブリティッシュコロンビアのスコーミッシュ河口のデルタ上で観測された.実際に,デルタ面状を流れ下る混濁流によってステップが上流へ移動している様子を現地で観測した.海底地形データからこれらのステップ地形の形態を解析し,デルタ面の傾斜の違いに応じて形態が変化する事,また深海のサイクリックステップに比べて波形勾配が大きい事がわかった. 2. (a)氷面上の界面波の実験を今年度はより火星北極冠に近い状況を再現するような新たな実験装置を作成し北海道大学で行った.装置はアルミニウム製のタンク(長さ100cmまたは200cm,幅10cm,高さ10cm) で,恒温循環装置から約-15℃(または-34℃)に冷却したアルコールをタンク内に循環させ,タンク上面を冷却した.室温との温度差によって重力風が生じ,水蒸気が凝固してタンク上面に堆積する.今年度の条件では,タンクの上面に氷が凝結しステップらしき凹凸が観察されたケースもあったが,ステップは下流に進行した.今後さらに実験材料や温度分布を変えて,火星北極冠と同じく上流側へ累重する構造を作る事を試みたい.(b)一方,昨年度までの実験でできた氷上の界面波の形状について解析した結果,温度条件が周囲大気>流体>氷でできた上流進行の界面波の波形は,砂で形成されるサイクリックステップの形状に非常に近い事がわかった.また,温度条件が周囲大気~氷<流体の時に形成された下流進行のそれは,サイクリックステップよりはむしろアンティデューンに近わかった. 3. 平成24年度に作成した理論モデルをさらに発展させて,氷上を流れる流体が乱流状態である場合のモデルを作成した.この場合も不安定解が存在し,界面波が形成される領域がある事がわかった.
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