概要 原始地球上の生命原料物質として、含水非晶質シリカ(シリカゲル)とアミノ酸の複合体を仮定し、ゾル-ゲル法を用いて合成に成功した。アミノ酸としては、地球の珪藻などの原始生命体にも含まれる、L-アラニン、L-セリンを用いた。合成した複合体中では、アミノ酸はシリカゲルと混合し、結晶相及び溶液相として存在することを始めて明らかにした。さらに、合成した複合体を彗星核のモデル物質と仮定し、衝撃圧縮実験を実施し、地球衝突時に彗星中のアミノ酸が分解せずに地表に到達することを明らかにした。これは、宇宙空間で生成した生命材料物質が彗星の衝突によって地球にもたらされた可能性を指示す独創的な成果である。
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