研究概要 |
隕石中の難揮発性包有物(Ca-Al-rich Inclusion, CAI)は,太陽系で最も古い年代を示す岩石である.中でも結晶サイズの小さい細粒CAIは,原始太陽系星雲ガスから直接凝縮し,ある種の粗粒CAIの前駆体であったと考えられており,ほぼ全てが16Oに富む同位体異常を持つ.しかし,細粒CAIはミクロンオーダー以下の元素組成が大きく異なる鉱物が複雑に入り組んだノジュールを形成しており,鉱物アイソクロンを得るのは困難である.さらに,各鉱物のサイズが小さいために変質を受けやすく,隙間に二次変質鉱物が多く存在することが事態を一層複雑にしている.本研究では,革新的な新開発イオンイメージセンサを用いて,投影型同位体イメージングにより細粒な難揮発性包有物(CAI)のAl-Mg年代を鉱物アイソクロンから求めることを目的とした.2013年に北大で行われたワークショップCosmochemical perspective on the early evolution of the solar systemにおいて,24Mg, 25Mg, 26Mg, 27Alのイメージを取得するAl-Mgイメージング分析のデモンストレーションを行い結果を発表した.
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