研究課題/領域番号 |
24654187
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安藤 晃 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90182998)
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研究分担者 |
森 義治 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (30124176)
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キーワード | 負イオン源 / イオンエンジン / 推力計測 / ビーム中性化 |
研究概要 |
研究二年目にあたる平成25年度には,最終年度において反射型イオンエンジンの推力直接計測を行うために,推力スタンドの設計・製作を実施した.ここでは板バネを用いた振り子式のスラストバランスを採用し,今回開発中の反射型イオンエンジンの設置が可能な状態にしてある.反射型イオンエンジン動作時の振り子の変位を,レーザー変位計で計測し,あらかじめ作成しておいたキャリブレーション係数を用いることで推力の計測を実現している.キャリブレーション特性を詳細に調べたところ,約10kgのスラスタを接続した際には,1mN程度の推力を計測可能であることを確認した. またスラスタ下流部におけるビームエネルギー計測のためのファラデーカップの試作・試験計測を行った.ここでは誘導結合性高周波放電によって生成した高密度プラズマ流の下流域でイオンエネルギー分布関数の計測を行い,数eVの分解能でイオンエネルギーを計測可能であることを示した.また前年度まで得られた知見を基盤とした,反射型イオンエンジン改良版の設計・製作を行い,最終年度における推力計測・性能評価へ向けた実験基盤の整備を実施するとともに,さらなる性能改善に向けた大型化・長時間動作に必要な技術課題・学術課題について検討を開始している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでにイオン源の基盤技術,推力計測技術,イオンビーム計測技術の基盤を確立し,最終年度における推力計測・性能評価へ向けて着実に研究が進展している.このことから,当該課題はおおむね順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である平成26年度には,これまでに確立した技術を終結し,反射型イオンエンジンの推力計測,ビーム計測実験を実施し,今回の研究期間内で得られる性能評価を行い,今後の研究課題・技術的課題を明確にする.また得られる知見を踏まえて,将来的な大型化・長時間動作へ向けて開発指針を確立する.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費の有効利用のため,学内設備の活用により研究開発にかかる経費を削減したため. イオンエンジンの試作品および計測器関連を試作する際の消耗品費、および研究打ち合わせにかかる旅費として、平成26年度請求額とあわせて使用する予定である。
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