研究概要 |
YCOPEX装置を用いた大面積2次元流と障害物の相互作用実験において,障害物の下流側のボイドと流れの境界領域において,流速が亜音速の場合に少数の微粒子が滞留すること見出した.このような滞留が生じるメカニズムは,欠損流速によって障害物後方で流速が遅くなる領域が存在すること,障害物によって2分された微粒子流が再び合流することによって局所的に負電位の大きな領域が形成されることなどであると考えられる. 強結合状態での微粒子流を形成するには,如何にして微粒子の熱運動エネルギーを抑えるかが重要である.YCOPEX装置では,微粒子に作用する力の内,中性粒子によるドラッグ力とイオンによるドラッグ力が主たるものであると考えられる.そのため,中性粒子温度,イオン温度,電子温度の制御ができれば,より容易に強結合の微粒子流を形成できると考えられる.そのため,小型の装置を用いて雰囲気温度が液体窒素温度において微粒子プラズマを生成し,これらの温度制御を試みた.その一環として,電子温度を下げるためにアフターグロー中で微粒子に直流電場によって波を励起し,その波の興味深い性質を発見した. これらの成果を以下の国際会議や学会,研究会で発表した:Y. Saitou, Y. Nakamura, T. Kamimura, and O. Ishihara; International Congress on Plasma Physics (Stockholm, 2012): Y. Saitou, A. A. Samarian, and O. Ishihara; 13th Workshop on Fine Particle Physics (NIFS, 2012): 齋藤和史,中村良治,石原修; 日本物理学会 (横浜国大, 2012): 齋藤和史,石原修ほか; 日本物理学会 (広島大学, 2013).
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