研究課題/領域番号 |
24654191
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石川 健治 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任教授 (60417384)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | プラズマ殺菌 / 電子スピン共鳴 / フリーラジカル / ミドリカビ胞子 |
研究概要 |
細菌の殺滅を目的とした放電プラズマ滅菌は,薬品不要で電源のみで稼働するために,いつでもどこでも生物学・農学的な作用を得られることから,盛んに研究されつつある.このバイオプラズマ応用において,プラズマと生体との相互作用は未知であり,その解析が強く求められている.本研究ではこの要求に対し,プラズマ滅菌過程の生体内フリーラジカルの挙動の解析に着目し,プラズマ生成するイオン,ラジカル,光といった個々の反応種の滅菌作用の発現機構をその場で実時間に観察可能な方法により詳細解明することを目的として進めている. 申請者は,世界に先駆けてユニークな実時間その場で表面生成するラジカル検出可能な電子スピン共鳴観察手法を確立しており,この解析を応用してバイオプラズマ技術の実用化について研究を進めている. 本年度は,モデル生物としてミドリカビ胞子の生体ラジカル観察に行い,世界に先駆けて胞子内の生体フリーラジカルの検出を基軸として,このカビ胞子のプラズマ不活性化挙動との関連を詳細に評価して,プラズマ滅菌・不活性化の機構解明を図ることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は,モデル生物のフリーラジカル観察とそのプラズマ相互作用による挙動の詳細解析を行う計画としていたが,そのための生体計測用の装置を開発するを済ませており,また生化学反応の解明を進めるためにフリーラジカルの同定とその検証作業を行うことができた.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は,引き続きモデル生物のフリーラジカル観察とそのプラズマ相互作用による挙動の詳細解析を行う.フリーラジカルの同定とその検証作業は詳細に進めており,さらに,放電プラズマの化学種の個々の作用とそれらの相乗効果について,ラジカルの反応速度の方程式を立てて解析する予定である.24年度で得られた結果を発展させ,モデル生物の種類を広げることで,この解析手法の課題と将来性を議論する.
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次年度の研究費の使用計画 |
測定にはESR用の合成石英ガラス管を利用する.このガラス管が放電プラズマの発生によって劣化していくため消耗品として計上している.その他,測定で使用する化学薬品などの購入にあてる. 成果発表を研究代表者が年に2回国内発表し,研究代表者が海外の国際会議において発表する経費計上を計画している.
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