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2012 年度 実施状況報告書

反応性ダストプラズマ中における周期的ボイド発生メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 24654197
研究機関九州大学

研究代表者

古屋 謙治  九州大学, 学内共同利用施設等, 教授 (70229128)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードダストプラズマ
研究概要

平成24年度は新たに購入した機器を用いて、ラマン測定装置を完成させる計画であった。
レーザー光を適切にチェンバー内に導き、ラマン散乱光をF=1のレンズで集光し、ヨウ素ガスフィルタ―を通して分光器へ導く光学系を自作した。ヨウ素ガスフィルタ―については外径50mm、長さ100mmのパイレックスガラス製セルを設計し、業者に製作を依頼した。昇華精製したヨウ素3gをセルに入れ、液体窒素で冷却した状態でセル内を真空引きし、封じ切った。ヨウ素溜め部分の温度を65℃、セル全体の温度を140℃にに保って、購入した単一周波数発振固体レーザー(532.006nm)の散乱光をセルに通したところ、散乱光は1000分の1程度まで激減し、ヨウ素ガスフィルターが正常に作動していることを確認した。しかしながら、減光の程度が時間とともに大きく変動していた。この原因はレーザー本体の温度に由来すると考えられる。このレーザー波長付近におけるヨウ素の吸収波長は532.0052nmである。購入したレーザーの発振波長は-0.9pm/℃の温度依存性を有しているため、レーザー本体の温度制御が必要と考えられる。
新たに購入したCCD検出器を既存の分光器に設置するためのアダプタを設計し、業者に加工を依頼した。完成したアダプタは問題なく利用できた。ネオンランプの輝線をこの分光器とCCD検出器を用いて測定したところ、スリット幅0.5mm、545nm付近の波長において1.7cm-1の分解能であり、輝線の半値全幅の範囲はCCD検出器の10pixelに対応していた。このように、今回準備した分光器とCCD検出器はラマン分光測定に十分な分解能を有していることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験を進める途中でレーザーが初期不良により故障してしまった。保障期間内の無償交換だが、3か月を経過しても未だ入手できていない。そのため、ヨウ素フィルターおよび観測系の動作確認は順調に終了したが、適当な試料を用いて実際にラマン分光測定を行うまでには至らたかった。

今後の研究の推進方策

平成25年4月下旬にはレーザーが届く予定となっている。すぐさま実験を再開し、ラマン測定の確認から開始する。次に、レーザーの温度制御を行うため、レーザー本体をボックスの中に入れて温度制御する装置し、ヨウ素フィルターを安定して動作させる。その後、既存のプラズマ発生装置と今回開発したラマン測定装置を組み合わせ、プラズマ中に浮遊するダストのアンチストークスラマン散乱を測定することで、ダストの温度を測定する。さらに、検出系を既存のフォトンカウンタに交換して、動的光散乱を行うことによりダストの運動に関する情報を得ることを計画している。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度研究費の大半を物品費(消耗品費)に使用し、装置の完成を急ぐ。一部は学会発表のための旅費に使用する予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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