水は極めて強い赤外吸収を有するため、通常の赤外分光測定で希薄な水溶液中の溶質分子の赤外吸収を得ることは不可能である。本研究課題において、赤外超解像顕微鏡法の高感度かつ高空間分解能の特性を利用して、水溶液中におけるローダミン6G色素の測定を行ったところ、観察赤外波長が1600 cm-1において非常に強い過渡蛍光信号の観測に成功した。また、この過渡蛍光信号を観察しながら、空間分解能を極限(800 nm)まで最適化したところ、1100-1800 cm-1の領域においてローダミン6G色素の赤外スペクトル測定にも成功した。
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