形状磁気異方性の単層カーボンナノチューブの生成過程に10Tまでの強磁場を印加して、磁場によるカイラリティー制御の可能性を検討した。そのため、化学蒸気分解法(CVD法)と液層分解法のための磁場中高温加熱炉を製作した。アルコールの種類、温度、触媒金属などを変えて、磁場の影響を調べた。液相分解法とCVD法ともに、磁場による230cm-1の付近のラマン線の選択的成長が観測された。また、CNTが単層か多層かによらず、磁場効果は4T以上で現れた。ラマン散乱と紫外可視吸収スペクトルの結果によると、カイラル指数や金属性・半導体性が磁場によって制御できる兆候があり、磁場による不斉誘導の可能性が示された。
|