研究課題/領域番号 |
24655055
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
秋葉 宇一 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60184107)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | レドックスメディエーター / アダマンタン自己組織化単分子膜 / 金ナノ電極 |
研究実績の概要 |
平成25年度に達成できなかった実施項目に関して引き続き検討した。 1.過酸化水素を電極上で電気化学的に効率よく酸化する触媒としてのレドックスメディエーター機能を有すると期待される2-アザアダマンタン-N-オキシルチオール誘導体のアダマンタン自己組織化単分子膜形成の膜物質の合成検討を引き続き行った。昨年度に検討した2-アザアダマンタン-N-オキシルチオール誘導体に関して、前年度に合成導入したノシル基の脱保護がうまく進行しなかったので、アザアダマンタンの窒素原子に対する適切な保護基の候補としてトリフルオロアセチル基の導入について種々合成検討を実施した。また、前年度まで合成検討を実施した5-アザアダマンタン-N-オキシルチオール誘導体の合成に関しては研究の進展は得られなかった。 2. 本年度は、当初の研究遂行の前提であるアダマンタン膜物質の合成がまだ達成できておらず研究の進捗が大きく遅れたことから、以下の新たな研究計画を立案してその予備実験を実施した。すなわち、外的な種々のストレスに応答して免疫細胞等の単一細胞が生成する過酸化水素を生きたままの細胞内で高感度に電気化学的モニタリングするナノバイオセンシング技術を確立することは、本研究目的に関連して極めて有効な医療センシング技術の萌芽的研究成果に繋がると期待できる。そこで、本年度はその研究遂行の準備的な実験を実施した。具体的には、炭素ナノ電極の簡便な作製に成功した東北大学末永研究グループの指導を得て、市販のマイクロサイズの石英管を使用してナノ電極ホルダーになるキャピラリーの作製を行った。また、作製した石英管キャピラリーを用いて金ナノ電極の作製をする実験条件を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成25年度8月より平成26年7月までの工事予定で、本研究で使用する合成実験室や測定室等の研究設備がおかれた研究棟の改修工事が実施されたので、研究の遂行に大きな支障を来している。また、当初の研究計画の合成ルートのとおりに膜物質の合成が進んでいないため。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度まで一年間の研究期間の延長を申請して承認された。本年度に達成できなかった膜物質の合成、およびそれらを用いたレドックスメディエーター電極機能界面の構築と機能評価に関して、次年度に引き続き詳細に検討する予定である。また、金ナノ電極の作製とナノ電極上への合成したアダマンタン膜物質の化学修飾に関する機能性ナノ化学修飾電極の開発に関して研究実施して、新たな電気化学バイオセンサー技術の確立を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成25年度8月から平成26年度7月まで研究実施設備が置かれた研究棟の改修工事が実施されたために、研究計画の遂行に支障を来たし、当初の計画に比べて実際の物品購入品目数がかなりの程度少なかったから前年度までに購入した物品の残りで間に合ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究進捗状況を考慮しながら、新たな研究項目に必要な物品をも含めて平成27年度の物品購入等に当てる予定である。
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