• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

医療診断用超高感度ラマン増強基板の創製

研究課題

研究課題/領域番号 24655062
研究機関京都大学

研究代表者

川崎 三津夫  京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50111927)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2013-03-31
キーワードバイオセンサー / 表面プラズモン / 銀超微粒子 / 表面増強ラマン散乱
研究概要

銀超微粒子の表面プラズモン電場増強効果に加えて、鏡面結合型表面プラズモンを結びつけた超ラマン増強(U-SERS)素子を創製し、従来の医療診断用光技術分析法と比べて数百倍以上の感度を有し、微量成分検出が短時間で可能な超高感度メディカルセンサーとしての実用性を実証するとともに、その機構と最適基板構築のための条件を明らかにすることを目的として、1年間の計画的な研究を進めた。その主な成果は以下の通りである。
1)鏡面結合型素子の最適化: 当該の目的に資する銀超微粒子層の作成法として、DCスパッタ法の有用性を改めて確証した。その条件、特にDCスパッタ時の放電条件を適切に選択することにより、鏡面結合型の利点を最大限に活用できる構造を特定した。その結果、1012倍以上の集団平均SERS増強率の実現という究極の目標達成には至らなかったものの、従来SERS基板の平均的な増強率(104~106)を大きく上回る、1010倍以上の増強率が実現できることがわかった。
2)実用素子としての新たな課題の抽出とその解決法: 一方、メディカルセンサーとしての利用を図る上で、当該素子が極めて深刻な課題を抱えることもその後明らかになった。すなわち、医学・生物化学分析で常用される生理食塩水という環境に銀超微粒子が直接接触すると、ハロゲン化物イオンとの反応により銀超微粒子が即座に侵されて増強機能を失うという問題である。その解決法として、表面プラズモン増強電場を全く減衰させずに、その最表面に担持された検体分子のラマン信号を大きく増強する革新的な保護膜の開発に成功した。これにより銀超微粒子層の化学的・物理的な耐久性を十分確保した上で、最大108倍を超える実用素子を構築する道が開かれた。実際にこの素子を用いて、試験用色素分子のみならず、生体組織や細胞膜などの増強ラマン信号の検出にも成功した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 銀微粒子表面プラズモン素子による長距離型増強発光と増強ラマン散乱

    • 著者名/発表者名
      川崎三津夫
    • 学会等名
      2012年度 日本写真学会秋季研究発表会
    • 発表場所
      京都工芸繊維大学
  • [学会発表] 保護膜で安定化された銀微粒子表面プラズモン基板による長距離型増強発光・増強ラマン散乱

    • 著者名/発表者名
      川崎三津夫
    • 学会等名
      第31回 固体・表面光化学討論会
    • 発表場所
      大阪大学 吹田キャンパス
  • [学会発表] Long-distance Enhancement in SERS Using a Corrosion-Proof Silver Plasmonic Substrate

    • 著者名/発表者名
      川崎三津夫
    • 学会等名
      International symposium of “Applications of Spectroscopy to analyzing biological events and catalytic reaction
    • 発表場所
      東京工業大学
  • [学会発表] 異方性シリカ保護層を有する銀ナノアイランド膜による長距離増強発光・増強ラマン散乱

    • 著者名/発表者名
      川崎三津夫
    • 学会等名
      日本化学会 第93春季年会
    • 発表場所
      立命館大学びわこ・くさつキャンパス

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi