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2013 年度 実績報告書

無保護のアミノアルカンを用いる含窒素化合物の直接的触媒的合成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24655075
研究機関東京大学

研究代表者

山下 恭弘  東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90334341)

キーワードアミノアルカン / フルオレニリデン / 触媒反応 / 含窒素化合物
研究概要

アミノアルカンの窒素原子隣接位炭素原子上の水素原子を脱プロトン化してアニオンを生成させ、求電子剤と反応させる手法は有機合成化学において非常に魅力的な手法である。しかし、これまでアミノアルカンのこの位置の炭素上の水素原子を直接的に活性化して反応に用いることは、窒素原子上の水素原子の酸性度が炭素原子上のそれよりも高いことから非常に難しいとされていた。そこで筆者は、フルオレニリデン基の電子安定化能による窒素原子隣接位のアニオン安定化に着目し、アミノアルカン同士でのフルオレニリデン基の分子間移動を活用することにより、無保護のアミノアルカンの隣接位炭素上における求核付加反応を触媒的に行うことを計画した。昨年度の研究では、グリシンエステル塩酸塩のα,β-不飽和カルボニル化合物への1,4-付加反応において、塩基存在下フルオレニリデン基が触媒的に機能する可能性を見出している。そこでこの知見に基づき、本年度はこの触媒反応の収率向上の検討を行い、本概念の確立に向けた研究を行った。種々検討を行ったところ、α,β-不飽和カルボニル化合物の構造を最適化することによって、目的の反応の収率向上が見られた。本検討により、フルオレニリデン基を触媒的に用いる無保護のアミノアルカン類の直接的触媒的付加反応の新たな可能性を見出すことができた。
その一方で本研究の遂行中、このフルオレニリデン基の性質を活用するイミン-イミンカップリング反応を新たに見出した。イミン-イミンカップリング反応には、従来化学量論量の反応剤を用いることが必須であったが、フルオレニリデン基の異性体であるフルオレニル基で保護されたイミンを基質として用いることによって、異なるイミン間での交差カップリング反応が触媒量の塩基存在下効率的に進行することを明らかにした。本反応は、触媒的交差型イミン-イミンカップリング反応の初の例である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Development of Catalytic Imine-imine Cross-coupling Reactions2014

    • 著者名/発表者名
      松本正俊、原田真志、山下恭弘、小林修
    • 学会等名
      日本化学会第94春季年会
    • 発表場所
      名古屋大学(愛知)
    • 年月日
      20140327-20140330

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公開日: 2015-05-28  

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