フルオレニリデン基の電子安定化能による窒素原子隣接位のアニオン安定化に着目し、グリシンエステル塩酸塩のα,β-不飽和カルボニル化合物への1,4-付加反応において、塩基存在下フルオレニリデン基が触媒的に機能することを見出した。本検討により、フルオレニリデン基を触媒的に用いる無保護のアミノアルカン類の直接的触媒的付加反応の新たな可能性を見出すことができた。その一方で、フルオレニリデン基の異性体であるフルオレニル基で窒素上を保護されたイミンを基質として用いることによって、異なるイミン間での交差カップリング反応が触媒量の塩基存在下高収率・高立体選択的に進行することを見出した。
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