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2012 年度 実施状況報告書

キラルケイ素中心の触媒的構築

研究課題

研究課題/領域番号 24655078
研究機関大阪大学

研究代表者

鳶巣 守  大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60403143)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2013-03-31
キーワードキラルケイ素中心
研究概要

キラル炭素中心の化学に比べ、キラルケイ素中心の化学はほとんど未開拓である。これは、ひとえによい不斉合成法がないためである。本研究では、われわれが見出したロジウム触媒によるベンゾシロール合成反応を基盤として、キラルケイ素中心の新しい触媒的不斉合成法の開発を目指した。まず、原理的に適用可能なキラルケイ素中心の種類を明らかにするために、ケイ素上の置換基効果について検討した。その結果、アルキル置換基を持つ場合、メチル基とそれ以外のアルキル基は立体的に区別され、メチル基が選択的に切断されるということがわかった。さらに、アリール基は比較的切断されやすく、電子的効果に関しても、Hammett解析を行ったところ、折れ曲がり方の挙動を示すことがわかった。
ジメチルイソプロピル基の2つのエナンチオトピックなメチル基の選択的な切断反応を触媒的に達成するために、種々の含窒素、リンあるいはそのハイブリッド型のキラル配位子を添加して反応を検討した。リン系のキラル2座配位子が良好な選択性で進行することがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究で達成を目指しているのは、キラルケイ素中心の触媒的構築という全く未開拓の課題である。しかも、基盤とする反応も、炭素-ケイ素結合切断という特異的な反応であり、結果としてキラルケイ素中心は構築できるものの、その反応機構はブラックボックスである。したがって、最適条件の探索も、試行錯誤の中で行う必要があったが、置換基効果の系統的な調査や、キラル配位子のスクリーニングの結果、有望な触媒系を見出すことができた。

今後の研究の推進方策

化学収率が改善の余地があるので、そのための条件検討を行う。また、新しい4級不斉ケイ素中心の構築反応を開発する。

次年度の研究費の使用計画

物品費として、有機試薬、触媒、キラル配位子の購入、旅費として国内学会出張を計画している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Rhodium-Catalyzed Carbon–Silicon Bond Activation for Synthesis of Benzosilole Derivatives2012

    • 著者名/発表者名
      Onoe, M.
    • 雑誌名

      J. Am. Chem. Soc.

      巻: 134 ページ: 19477-19488

    • DOI

      10.1021/ja3096174

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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