12-ヒドロキシステアリン酸により、マイカ表面上でパラキシレンをゲル化させると、ゾル状態では濡れていた溶液が、ゲル化とともにはじくゲルへと反転することを接触角測定により確認した。溶媒を変化させた実験から、凝集エネルギーの大きい溶媒ほど濡れの反転が強く起きることがわかった。一方、共焦点ラマン顕微鏡により、ゲル化に伴い溶媒がマイカ表面近傍から枯渇しているのが観察された。濡れ反転したのは、空気(溶媒の蒸気)が界面に侵入したためである。これは、溶媒の凝集エネルギーがゲルが溶媒を保持する大きな要因であることを意味する。
|