本研究では、透過型電子顕微鏡(TEM)観察のための新しい染色法としてポリシロキサンに着目しその有用性を実証することを目的にした。これまではTEM観察の試料を作るとき高コントラストを出すために高価できわめて毒性の高い酸化オスミウム(VIII)が一般的に広く使われてきた。本研究で提案した新しい染色法では、酸化オスミウムの代替品として安価で安全性の高いポリシロキサンが非常に有用であることを実証した。高沸点のシロキサンであれば高分子量のポリシロキサンである必要はなく、低分子量のシロキサンやオリゴシロキサンでも良好な染色が得られた。
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