カルボランは、材料化学から医療分野まで幅広く用いられているが、有機電子光学材料としての応用を指向した研究例は皆無に等しい。本研究では、カルボランを鍵骨格として用い、従前にない機能を有する材料を開発することを目的として検討を行い以下の成果を得た。①オリゴフェニレンとカルボラン骨格を組み合わせ、オリゴフェニレンへの平面性と、深いHOMO/LUMO準位を付与することに成功した。②カルボランユニットを主鎖骨格に有する新規共役系ポリマーの合成に成功した。本化合物は高輝度で発光した。③カルボランのC1炭素とB9,B12ホウ素に発光団を置換した。その結果、他の足場骨格では実現困難な発光色制御を達成した。
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