クモの糸は円柱型フィラメントからなる。そのクモの糸繊維の集合体では、繊維が平行に並んで理想的に詰まったとしても繊維相互は線接触でしかない。もちろん、現実は繊維間に隙間が多くある。このため、一本の繊維での力学強度(応力)が大きくとも、集合体となると計算通りにはいかず、応力が大幅に落ちるという問題点があった。この問題点を解決すべく、繊維相互を面接触を容易にすべく、繊維の軸と垂直方向の圧縮特性を測定し、圧縮弾性率を計測した。その結果、繊維軸方向の弾性率に比べて、垂直方向の圧縮弾性率は2ケタほど小さいことから、繊維軸に垂直方向に加圧力の程度を探ることができるようになった。
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