研究課題
新規含テルルポリマーの合成法としてこれまで、四塩化テルルと芳香族化合物類の縮合反応について確立し、それらの物理的特性について詳細に検討することで、機能性材料として応用が可能であることを明らかとしてきた。本年度は、さらに新規含テルル高分子の合成法として、ビスフェノールA骨格を有する含テルルモノマーの合成とそれらを用いた含テルルポリエステルの合成について検討した。ビスフェノールA骨格を有する含テルルモノマーの合成は、アニソールと四塩化テルルとの縮合反応により合成した、ビス(4-メトキシフェニル)ジクロロテルリウムを、三臭化ボランと反応させることで得られた。得られたビスフェノールA骨格を有する含テルルモノマーは、常温では固体状の安定した化合物であることが分かった。この合成したモノマーとジ酸クロライドとの縮合反応について検討を行った結果、溶媒として1-メチル-2-ピロリドン(NMP)を用い、塩基としてピリジン存在下、48時間の条件で反応を行ったところ、対応する含テルルポリエステルが得られることが判明した。得られたポリエステルは、溶解性、耐熱性、成膜性に優れることが判明した。さらに、合成した含テルルポリエステルの屈折率は1.65以上であり、高屈率特性を示すことも分かった。以上の様に、新規含テルルポリエステルの合成法として確立することに成功した。
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