固体高分子型燃料電池白金代替酸素極として開発した熱処理バリウムイオン架橋鉄ポルフィリンにおいて、白金系とは異なる酸素還元機構を提示すると共に、金属ポルフィリンの短所となる長期酸性下での動作安定性を評価した。熱処理によって生じる新規な高酸化状態となった鉄(III)ポルフィリンは、そのダイマー構造によって向かい合った鉄と環内窒素の4点で酸素分子を吸着すると、鉄(III)から鉄(IV)へ電荷分離を引き起こし、酸素の4電子還元反応が起こる経路を示した一方で、バリウムイオンがポルフィリンダイマー保持を補助しており、この補助が長期動作に重要な耐酸性、及び耐酸化性を発現していることも明らかにした。
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