研究課題/領域番号 |
24655120
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
出羽 毅久 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70335082)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | バイセル / 脂質二分子膜 / 多層膜構造 / チラコイド膜 / 光合成 |
研究概要 |
チラコイド膜様の人工多層構造中に光合成タンパク質再構成体を構築することを目的とし、ディスク状二分子膜から多層構造体の構築を行った。長鎖および短鎖のリン脂質混合系からディスク状脂質二分子膜を構築し、その構造体を原子間力顕微鏡にて確認した。ディスク状構造体は動的光散乱から見積もられてた大きさと一致する構造が確認された。さらに、光合成膜タンパク質である光収穫系複合体(LH2)をディスク状構造体中に再構成し、さらにそれをマイカ上に積層構造を構築することに成功した。原子間力顕微鏡観察の結果から、ディスク状構造体が横方向に融合し平面膜構造を形成し、その構造が縦方向に積層している様子が観察された。また、この構造体中でLH2は構造を維持していることが吸収スペクトルから確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
バイセル構造を用いて、当初目的の多層構造体の構築に成功しており、光合成膜タンパク質の導入にも成功している。さらに、原子間力顕微鏡観察にて、ナノレベルでの構造評価も行っている。
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今後の研究の推進方策 |
脂質膜の多層化の制御を行う。すなわち、アビジンービオチン結合を用いて、各脂質膜層を段階的に繋ぎ止めることにより、脂質膜層構築の制御を行う。また、この多層膜構造中に光合成タンパク質を組み込み、その機能(集光、電荷分離、酸素発生)を調べることより、人工チラコイド膜の構築を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当無し
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