研究実績の概要 |
本申請者は初めてフラーレン誘導体がシクロデキストリンと錯体を形成し、高濃度で水溶化されることを明らかにした。このフラーレン誘導体に機能性官能基を導入すれば、従来不可能であった種々の界面との相互作用が期待される。 本申請者は様々な置換基を導入したフラーレ誘導体を合成し、シクロデキストリンとの錯体形成が可能かどうか、またその錯体が水中に可溶化されるかについてまず検討した。その結果、置換基末端の水溶性が非常に重要であることが明らかになった。例えば、金基板表面に修飾すするために1,2-ジチオランを導入した場合、その親水性が低いために錯体はほとんど水溶化できなかった.一方、カルボン酸を末端にもつフラーレン誘導体のシクロデキストリン錯体は比較的高い濃度で可溶化できた。 このように水溶化できたカルボン酸を有するフラーレン誘導体をシクロデキストリン錯体のまま酸化チタン表面に修飾することを試みている。うまく修飾されれば光電変換素子としての応用が期待される。
|