無機ナノシートの層間に取り込まれた平面性の低いカチオン性有機分子の平面性は、溶液の状態で高圧にしたときと同様に向上する。そこで本研究では、無機ナノシート層間を一軸性の高圧力環境場としてとらえ、層間に取り込まれた有機分子に作用する一軸性の圧力場を定量化すること、またその圧力場を制御可能とすることを目指した。 その結果、ナノシートの層間に取り込まれた有機分子に作用する力は、静水圧に換算すると、1 GPaオーダーの圧力に相当することがわかった。さらに、粘土鉱物の層電荷を変えること、および空間占有率を変えることで、この圧力場を0.5~1.8 GPaの範囲で制御することができた。
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