コロニー温度および発熱量が培養温度により変化する微生物Pseudomonas putida TK1401株の浪費回路の生理学的な役割を明らかにするために、本年度はP. putida TK1401における遺伝子破壊法の確立および、環境温度依存性発熱欠損株の取得することを目指した。P. putida TK1401環境温度依存性発熱に関連した遺伝子が欠損した変異株得るために、遺伝子組換えによる変異体の作成について検討した。その結果、P. putida TK1401は接合伝達による形質転換が可能であり、pBBRoriを持つプラスミドは複製可能であるが、ColE1oriを持つベクターは複製できないことが明らかになった。そこで、ColE1ori、mobおよびカナマイシン耐性遺伝子をもつベクターを構築し、相同的組換えによる形質導入を試みたが、目的の変異体を得ることができなかった。そこで、化学変異による変異株の作成を検討した結果、メタンスルホン酸エチルによる処理により変異株3-38株を得ることができた。この3-38株のコロニー温度の培養温度依存性および発熱量の温度依存性を調べた結果、3-38株は、環境温度依存性発熱能を欠損したことにより、コロニー温度が上昇しなくなったことが明らかになった。
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