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2013 年度 実績報告書

蛍光性サーモセンサーを用いた生体内温度の恒常性を担う熱産生機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24655151
研究機関京都大学

研究代表者

清中 茂樹  京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (90422980)

キーワードサーモセンサー / TWIX / 蛍光タンパク質
研究概要

褐色脂肪細胞で蛍光性サーモセンサー(TWIX)を発現させるために、TWIXをコードするアデノウィルスを昨年度に作製した。本年度は、ミトコンドリアに発現するTWIX-mitoを褐色脂肪細胞に発現させて、各種刺激に伴う熱産生を評価した。まず、ミトコンドリア脱分極剤として知られるCCCPを投与したところ、温度上昇に相当する蛍光変化が得られた。また、褐色脂肪細胞はUCP1の活性化に伴い熱産生を起こすと知られているので、UCP1の活性化に必須な遊離脂肪酸の産生を引き起こすβアドレナリン受容体刺激を行ったところ、同様に温度上昇に相関する蛍光変化が得られた。このことから、褐色脂肪細胞における熱産生の可視化に成功したと言える。
近年、骨格筋も熱産生を起こすことが報告された。しかし、骨格筋からの熱産生に関しては、主に膜画分を用いた生化学的な方法で評価されており、細胞内での寄与に関しては意見が割れていた。そこで、筋繊維芽細胞であるC2C12に小胞体に発現するTWIX-ERを発現させて、筋管細胞へと分化させて熱産生を評価した。骨格筋においては、小胞体に発現するCa2+ポンプであるSERCAのATPase活性が熱産生を引き起こすと考えられている。そこで、TWIX-ERを発現させた筋管細胞にSERCA阻害剤を添加したところ、温度降下に相当する蛍光変化が得られた。一方で、SERCA阻害剤をwash-outした際には、元の蛍光状態に戻った。すなわち、筋管細胞におけるSERCAを介した恒常的な熱産生を可視化できたと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Genetically encoded fluorescent thermosensors visualize subcellular thermoregulation in living cells.2013

    • 著者名/発表者名
      Kiyonaka S, Kajimoto T, Sakaguchi R, Shinmi D, Omatsu-Kanbe M, Matsuura H, Imamura H, Yoshizaki T, Hamachi I, Morii T, Mori Y.
    • 雑誌名

      Nature Methods

      巻: 10 ページ: 1232-1238

    • DOI

      10.1038/nmeth.2690

    • 査読あり
  • [学会発表] 蛍光性サーモセンサーの開発と生体の恒常性を担う熱産生機構の可視化2013

    • 著者名/発表者名
      清中 茂樹、梶本 武利、坂口 怜子、森井 孝、森 泰生
    • 学会等名
      生理学研究所研究会「新規シグナル伝達分子とその生理学的可能性」
    • 発表場所
      生理学研究所
    • 年月日
      20130926-20130926

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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