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2014 年度 実績報告書

血液脳関門(BBB)を突破するナノ抗体の創出

研究課題

研究課題/領域番号 24655158
研究機関大分大学

研究代表者

一二三 恵美  大分大学, 全学研究推進機構, 教授 (90254606)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードBBB / ナノ抗体 / がん細胞傷害性 / 定常領域ドメイン
研究実績の概要

1, ヒト型ナノ抗体の構造制御:マウス腹水からProtein A精製したモノクローナル抗体を二次元電気泳動すると、Ureaで変性しているにも関わらず、重鎖・軽鎖ともに同一分子量でpIの異なる多くのスポットが検出される。本研究で取り扱っているのは、未変性状態の抗体鎖であることから、構造多様性に富むことは容易に想像出来、完全抗体から分離・精製した場合、遺伝子工学的に単独で発現させた場合、ともにこれを示唆する傾向が現れていた。昨年の検討で、精製過程で金属イオンを用いることで、大腸菌で発現・精製したナノ抗体の構造均一化傾向が認められたことから、金属イオンの効果について重点的に検討し、金属イオンの取り込みでナノ抗体の電荷が均一化されることが分かった。
2, 軽鎖定常領域ドメイン(CR)の発現:現在取り扱っているナノ抗体は、抗体サブユニットであり、単独で取り出すことで完全抗体では見られない機能を示している。抗体ドメインの中で重鎖定常領域には、エフェクター作用という役割があるが、軽鎖定常領域の役割は分かっていない。また、(1)の検討において、金属イオンが定常領域に取り込まれている可能性が示唆されたことから、定常領域ドメインを単独で発現させた場合の構造多様性や機能についての検討を進めた。
3, ナノ抗体によるがん細胞傷害性試験:本研究で取り扱っているナノ抗体は、複数のがん細胞に対して効果を示すことが分かっているので、上皮系の細胞を用いたスクリーニングを行った。
4, BBB透過性試験:(1)(2)の検討によりナノ抗体のサイズ制御に関して、多くの知見を得た。これらを踏まえてナノ抗体のBBB透過性試験に着手しており、現在は予備的な実験を進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] ヒト型抗体軽鎖(kappa型)の定常領域の発現と諸性質2015

    • 著者名/発表者名
      糸永省吾, 宇田泰三, 一二三恵美
    • 学会等名
      第95春季日本化学会年会
    • 発表場所
      日本大学船橋キャンパス(千葉県・船橋市)
    • 年月日
      2015-03-26 – 2015-03-29
  • [学会発表] 最近の抗体酵素研究と今後の展開2014

    • 著者名/発表者名
      宇田泰三, 一二三恵美
    • 学会等名
      第87回日本生化学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府・京都市)
    • 年月日
      2014-10-15 – 2014-10-18
  • [学会発表] スーパー抗体酵素の発見と展開2014

    • 著者名/発表者名
      一二三恵美
    • 学会等名
      第24回バイオ・高分子シンポジウム
    • 発表場所
      東京工業大学大岡山キャンパス(東京都・目黒区)
    • 年月日
      2014-07-23 – 2014-07-24
    • 招待講演
  • [学会発表] ヒト型抗体酵素#1シリーズの生化活性の検討2014

    • 著者名/発表者名
      山口美沙, 一二三恵美, 宇田泰三
    • 学会等名
      第51回化学関連支部合同九州大会
    • 発表場所
      北九州国際会議場(福岡県・北九州市)
    • 年月日
      2014-06-28 – 2014-06-28
  • [学会発表] スーパー抗体酵素のがん細胞傷害性(I)2014

    • 著者名/発表者名
      野中珠実, 楠木智也, 宇田泰三,一二三恵美
    • 学会等名
      第51回化学関連支部合同九州大会
    • 発表場所
      北九州国際会議場(福岡県・北九州市)
    • 年月日
      2014-06-28 – 2014-06-28

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公開日: 2016-06-01  

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