本研究課題では、超好熱性酵素の活性部位を「熱に強い不斉な空間」ととらえる。そして、本来その酵素の基質ではないが、活性部位に結合する様な化合物をデザインし、不斉空間を反応場として様々な熱駆動型反応を実現することを目的とした。 基質としてアリールメチルマロン酸モノエステルを選択し、加水分解活性の消失した変異体エステラーゼを作用させた。そして、熱駆動型反応を行ったところ、目的とするエステルが得られ、その光学純度も高いものであった。更に、この変異体を用いてアリールマロン酸に作用させたところ、不斉脱炭酸反応が起こることを確認した。この様に当初目的としていた熱駆動型反応を達成することができた。
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