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2013 年度 実績報告書

鉄イオンをエネルギー媒体とした非光合成型太陽光炭酸ガス固定

研究課題

研究課題/領域番号 24655167
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

中村 龍平  独立行政法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (10447419)

キーワード二酸化炭素固定 / 酸素発生反応 / 太陽エネルギー変換 / 鉄酸化細菌
研究概要

本提案技術の特徴は、鉄酸化細菌の昇圧デバイス能力を用いることで、現状では2V以上もの大きな外部電源を必要としていた電気化学的CO2固定プロセスに対して、僅か400 mV程度の小さな電圧で反応を駆動させる点にある。その実証に向けては、鉄酸化細菌が電気エネルギーを用いてCO2固定を行えるか否かを明らかにし、かつ、高効率な水の酸化触媒の開発が不可欠である。そこで本研究では、深海底におけるバイオマス生産を担っていると予測されている中性鉄酸化細菌の一種Mariprofundus ferrooxidansを用い、電気化学培養後の電極表面を7種の多糖染色試薬により観察し、CO2固定産物の特定を試みた。7種類のレクチン(WGA, RCA, ConA, UEA, DBA, SBA, PNA)を用いた結果、UEAにおいて最も強い蛍光が観測された。よって、M. ferrooxidansは電気エネルギーを一次エネルギー源としてα-L-fucose, β-D-galactose, β-D-N-acetyl glucosamineを含む多糖を合成していることが明らかとなった。さらに本研究では、植物がPSII中心で行っている酸素発生反応に着目し、窒素を含有させた新規マンガン系触媒の開発を進めてきた。窒素配位子の導入による酸化マンガンの電子状態を制御、ならびにプロトン共役電子移動誘起剤であるアミン系化合物を添加することによって中性pH領域で高い活性を示す酸素発生触媒の開発に成功した。深海底に生息する鉄酸化細菌M. ferrooxydansが、外界から獲得した電子のエネルギーを0.95 eVも高める昇圧デバイスとして働くこと、そして中性pH駆動型の新規なマンガン系酸素発生触媒の開発は、本提案の鉄イオンをエネルギーキャリアーとした低電圧CO2固定が可能であることを示すものである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件)

  • [学会発表] Design Principle of Multi-electron Water Oxidation Catalysts Composed of Mn Oxides2013

    • 著者名/発表者名
      中村龍平
    • 学会等名
      223rd Meeting of the Electrochemical Society
    • 発表場所
      カナダ、トロント
    • 年月日
      20130512-20130517
    • 招待講演
  • [学会発表] Multielectron Oxidation of Water Mediated by Mn Oxides: Mechanism and Visible-light Sensitization for Artificial Photosynthesis2013

    • 著者名/発表者名
      中村龍平
    • 学会等名
      245th ACS National Meeting
    • 発表場所
      米国、ニューオリンズ
    • 年月日
      20130407-20130411
    • 招待講演
  • [学会発表] 光合成PSII中心から学ぶ酸素発生触媒の開発─電子プロトン輸送制御による高活性化

    • 著者名/発表者名
      中村龍平
    • 学会等名
      第13回光触媒研究討論会
    • 発表場所
      東京都、東京大学先端科学研究センター
    • 招待講演
  • [学会発表] 自然に学ぶ水分解触媒の開発

    • 著者名/発表者名
      中村龍平
    • 学会等名
      光触媒反応の最近の展開
    • 発表場所
      東京都、東京大学先端科学研究センター
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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