有機薄膜太陽電池材料であるPEDOT:PSS/P3HT:PCBMの2層薄膜に関して,532 nm光を60分間照射することにより,赤外スペクトルの変化が観測された.観測されたスペクトルは,トラップされた正ポーラロンと光化学反応種に由来する可能性が考えられる.これらの化学種は室温において安定に存在した.昇温により大きな赤外スペクトル変化が観測されたが,PEDOT:PSSの赤外スペクトルの温度効果であることが分かった.活性化エネルギーを昇温により求めることは困難であり,幾つかの温度において,定温でスペクトル変化の速度を測定して,その温度変化から活性化エネルギーを求める方法が適当と考えられる.
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