研究課題/領域番号 |
24655188
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
吉本 護 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (20174998)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 非晶質 / ガラス / 天然素材 / ナノインプリント / 転写 / 表面ナノ加工 / 原子レベルパターン / 超精密加工 |
研究概要 |
「非晶質材料表面への天然素材ナノパターンの原子レベルでの超精密転写」と題した本申請研究は、自然由来のナノ構造、特に表面ナノ構造に着目して、天然ナノ構造パタ-ンをポリマーやガラスなどの非晶質材料の表面に原子レベルで精密転写できるかどうかを世界に先駆けて検討したいという動機から着想したものである。本研究の目的は、種々の天然物の精緻な表面ナノ構造の原子レベルでの転写基盤技術の可能性を検討し、その要素技術を活かして、天然素材と人工素材とのナノ表面複合化による新素材の開発や従来にない表面高機能材料の設計に応用することをめざす。転写の基本技術としては、熱ナノインプリント工程(加熱→型押し→離型)を利用するが、それ以外にも光・レーザー照射なども組み合わせて、自然構造体の原子レベル転写の実現に挑戦する。本年度の研究では、市販のソーダライム系酸化物ガラス基板への雲母鉱物(マイカ)などの無機系天然素材ナノパターンの原子レベル転写手法の確立を検討した。まず始めに(1)インプリント前のガラス基板表面処理の最適化,次に(2)無機系天然素材ナノパターン鋳型として、雲母劈開面を選択し、その形状の最適化,(3)ガラス向け原子インプリント条件の最適化と評価、などに重点を置いて研究を進めた。その結果、ガラス表面内に、マイカモールド(鋳型)に由来すると思われる約0.5nm周期の原子レベルパターンの形成に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画初年度(2012年度)の7月から9月にかけて、同じキャンパス内の新高層棟ビルの竣工という事情により、この新棟への研究室移動(全ての実験装置を含む研究室の全面移動)が行われた。このために、移動前後の2ヶ月以上にわたり、全ての実験装置の稼働停止を余儀なくされたことにより、当初の研究計画の全てを遂行するのが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
2012年度の研究室引っ越し作業に起因して当初の研究計画を遂行できなかった部分を次年度に早急に行い、計画達成を加速させる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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