研究課題/領域番号 |
24655188
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
吉本 護 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (20174998)
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キーワード | 精密転写 / ナノインプリント / 非晶質 / ガラス / ポリマー / 原子レベルパターン / 天然素材 |
研究概要 |
本研究は「非晶質材料表面への天然素材ナノパターンの原子レベルでの超精密転写」と題し、自然由来のナノ構造、特に表面ナノ構造に着目して、天然ナノ構造パタ-ンをポリマーやガラスなどの非晶質材料の表面に原子レベルでの精密転写を目的としている。本研究で用いた転写技術としては、主に熱ナノインプリント工程(加熱→型押し→離型)である。 平成24年度では、酸化物ガラスとしてソーダライムシリカガラスを用い、その上に、マイカ(天然層状の雲母鉱物)の劈開面を鋳型として、約0.5nm間隔の原子レベルパターン転写の研究を行い、その転写条件と得られたガラス表面パターンの相関関係を調べたが、平成25年度ではそれら研究成果をベースとして、板状ガラス基板に加えて、パルスレーザー蒸着法(PLD法)で作製したガラス薄膜上へのマイカの原子配列パターンの転写の可能性も調べる研究を系統的に行った。また平成25年度では、透過性高分子ポリマーの代表であるPMMAという名称のアクリル樹脂シート上に、0.3nm高さの原子ステップを有するサファイア(単結晶アルミナ)基板を鋳型として、熱ナノインプリント加工を施す研究を行った。 これまでの研究の結果、PMMAポリマ-シート上に、約0.3nmの原子ステップを持つ階段状の原子レベルパターンの転写を達成することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
同一キャンパス内の新設高層棟ビルへの研究室全面移転が、2012年度から2013年度に渡って行われ、そのための実験装置等の移動や再立ち上げにかなりの時間が取られた。これら移転業務に伴う実験の遅れが、研究目的未達の主要因であると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
研究遅延の原因となっていた研究室移転に伴う業務が、2013年度の後半あたりからほぼ終了し、本研究遂行に全力を注げる環境がようやく整備されたので、今後は研究目的を達成すべく、鋭意努力する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
同一キャンパス内の新設高層棟ビルへの研究室全面移転が、2012年度から2013年度に渡って行われ、そのための実験装置等の移動や再立ち上げにかなりの時間が取られた。これら移転業務に伴う実験の遅れが、当該事象の主因です。 研究遅延の原因となっていた研究室移転に伴う業務が、2013年度の後半あたりからほぼ終了し、本研究遂行に全力を注げる環境がようやく整備されたので、今後は研究目的を達成すべく、鋭意努力する予定である。使用計画としては、ポリマーやガラス材料、およびナノインプリント加工装置メンテナンス費用、さらに表面分析に係る消耗品等の購入、および研究成果発表に係る旅費や印刷代等に使用する予定です。
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