研究課題
本研究は、自然由来のナノ構造、特に表面ナノ構造に着目して、天然ナノ構造パタ-ンをポリマーやガラスなどの非晶質材料の表面に原子レベルで精密転写できるかどうかを世界に先駆けて検討すべく、種々の天然物の精緻な表面ナノ構造の原子レベルでの転写基盤技術の確立をめざして研究遂行した。さらに、これら要素技術を活かして、天然素材と人工素材とのナノ表面複合化による新素材の開発や従来にない表面高機能材料の設計に応用することもねらった。転写の基本技術としては、主として熱ナノインプリント工程(加熱→型押し→離型)を利用した。ケイ酸塩系酸化物ガラスやアクリル樹脂などの有機系非晶質基板の熱可塑性を使って、これら基板を加熱しながら、サファイア単結晶鉱物の原子ステップ形状や層状鉱物の雲母劈開面における六角形状の原子レベル天然ナノ構造パタ-ンを有する鋳型を基板表面上に適当な圧力で押し付けた。その結果、石英ガラス(SiO2)基板やソーダライムシリカガラス基板、およびPMMAアクリルポリマー、ポリカーボネート、ポリイミドなどの樹脂基板上に、0.3nm程度の原子ステップを有する階段状のナノパターンを形成することに世界で初めて成功した。さらに、ソーダライムシリカガラス基板上に、雲母劈開面における約0.5nm間隔の周期的な蜂の巣凹凸パターンを転写することができた。
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Appl. Phys. Exp. (APEX)
巻: 7 ページ: 0552021ー3
10.7567/APEX.7.055202