本研究では熱ナノインプリントを利用して、天然物表面ナノ構造の原子レベル転写を検討した。酸化物ガラスやアクリルなどの有機系非晶質基板を加熱しながら、サファイア単結晶鉱物の原子ステップ形状や雲母劈開面における六角形状の原子レベル天然ナノ構造パタ-ンを有する鋳型を、基板表面上に適当な圧力で押し付けた。その結果、石英ガラス基板およびアクリル、ポリカーボネート、ポリイミドなどの樹脂基板上に、0.3nm程度の原子ステップ配列パターンを形成することに成功した。さらに、ソーダライムシリカガラス基板上に、雲母劈開面における約0.5nm間隔の周期的な凹凸パターンを転写することができた。
|