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2012 年度 実績報告書

マンガン窒化物の異常結合距離の機構解明による金属窒化物の固体化学の再定義

研究課題

研究課題/領域番号 24655194
研究機関広島大学

研究代表者

犬丸 啓  広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80270891)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2013-03-31
キーワード窒化物 / PLD / レーザーアブレーション / MBE
研究概要

3d遷移金属(ScからCrまで)のmononitrideはNaCl型のCubic構造をとるが、MnNは通常tetragonal構造をとる。cubic相MnNの存在も報告されているが、単相合成の報告はなく、また、その格子定数は他の金属窒化物に比べ異常に長い。本研究では、PLD法を用いて基板上にエピタキシャルMnNの合成を行い、生成する結晶相について検討した。MnN薄膜はRFラジカルソースからの窒素ラジカル照射下で金属Mnをアブレーションし蒸着した。基板には主にMgO (001)を用い、基板温度を変化させた。合成した薄膜について、多軸X線回折、透過型電子顕微鏡(TEM)、X線吸収微細構造(XAFS)、ラザフォード後方散乱(RBS)、XPS等によりキャラクタリゼーションを行った。基板温度室温では結晶化しなかったが、150~350℃の温度では(001)配向したtetragonal構造のtheta-MnNが生成した。450℃程度ではeta-Mn3N2が(001)配向し、さらに高い温度では、エピタキシャル成長したCubic相MnNのピーク強度が強くなり、基板温度が690℃のときeta-Mn3N2のピークがみられなくなった。この試料においてX線回折で観測されたCubic相MnN薄膜の格子定数は、a=4.445(3)Aとなり、報告のあるa=4.47Aの相と同様、結合距離が異常に長い。しかし、基板温度690℃で合成したMnN薄膜についてTEM測定を行った結果、電子線回折より、この試料には2つの相が共存することが分かった。XAFS測定結果においても結合距離はX線回折測定から計算した値より小さく、MgO基板のピークに隠れたa=4.2Aの相が主として生成していることが示された。以上、MgO単結晶基板上でMn窒化物の合成条件と生成する相の変化が系統的に明らかとなった。

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公開日: 2014-07-24  

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