陽電子消滅寿命法で多孔性材料の細孔サイズを推定するための、任意の形状の細孔に適用できるモデルを開発した。古典的な描像の基本モデルにポジトロニウム(Ps)の有効サイズに対応するパラメータを導入し、その値を、改良Tao-Eldrupモデルとスムーズにつながるように決めた。 応用として、シリカエアロゲルの細孔を測定した。この物質の空隙の大きさを他の手法で評価すると、巨視的パラメータと矛盾する結果が出てしまうが、本研究で整備した評価法で密度を見積もった結果、実際の巨視的密度とよく一致した。これは、複雑な構造をした大きな空孔に対して、本研究で開発した評価が信頼できる結果を与えることを示している。
|