本研究では、繊維型素子への応用を見据え、スリット構造を有する両面受光型の有機薄膜太陽電池の電極間の距離および正孔捕集層(PEDOT:PSS)の導電率の検討を行った。ITO透明電極とAuスリット電極からなる両面受光型素子では、有機発電層で生じた正孔がPEDOT:PSSで捕捉された後、横方向に動いてAu電極に捕集されることが示唆された。また、Au電極の間隔を調節することにより、開口率の最大値を検討した結果、開口率約80%で最高出力を示す素子開発に成功した。これらの結果は、繊維型素子における光照射側の電極構造をデザインする上での基礎的知見を与えるものである。
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