高度な水中接着性を示すイガイの接着器官にはカテコール基が豊富に含まれている。今回、ポリγグルタミン酸イオンコンプレックスのヘキサピリジニウム部を他の物質に置換する環境調和型の新反応系を構築し、ドーパミン:PGA超分子ゲルの開発に成功した。これは便宜上ドーパミルPGA(dmPGA)と呼ばれている。レオロジー分析からdmPGAは自己修復性ゲルとしての特性を有することが示された。金属吸着試験からは、dmPGAの、なかでも二価金属イオンに対する吸着能がPGAやポリアクリル酸をはるかに凌駕することが判明した。また、双曲線を描く吸着挙動であったため、様々な毒性金属種の効率(同時)除去への展開も期待された。
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