研究課題/領域番号 |
24655211
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
吉岡 太陽 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), PD研究員 (90596165)
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研究分担者 |
田代 孝二 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60171691)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 電界紡糸 / ナノファイバー / 繊維構造 / 伸びきり鎖結晶 |
研究概要 |
初年度(平成24年度)の主要課題の一つは、高温溶液からの紡糸が可能となる電界紡糸装置のデザイン(設計)およびその製作であった。当初、装置は完全に自作することを計画していたが、実際には、自らデザインしたものを業者に製作依頼することとした。 装置のデザインを行う上で、本研究目的である"ナノ繊維の精密構造制御"を可能とするアイデアを盛り込む必要があった。装置が手元に無い状態で、このようなアイデアを具体化させていくことは困難であったため、国外協力研究者(ドイツ)の協力の下、種々のアイデアを既存の装置(本研究代表者が以前製作した装置でドイツに設置)を用いて検討し、得られたナノファイバーを日本で解析することで、アイデアの具体化を進めた。結果として、高温溶液からの紡糸が可能であり、且つ、ノズルからコレクターの間の紡糸雰囲気温度の勾配を制御可能となる装置の設計に至った。装置の完成は平成25年度5月下旬を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、初年度の段階で電界紡糸装置を完成させる予定であったが、我々がデザインした装置を予算内で製作してくれる業者がなかなか見つからず、デザインから製作開始までに想定していた以上のブランクが生じた。ただし現在は、平成25年度5月中旬完成の予定で製作いただいている。一方で、国外協力研究者の下(ドイツ)に設置されている装置を用いての予備実験を既に充分行っており、装置が完成すれば、遅れは取り戻せるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
現在製作依頼中の装置が完成すれば、直ちに、紡糸実験を開始する。高温溶液からの電界紡糸に加え、紡糸雰囲気温度を制御することで、より効果的な延伸条件を模索するなど、新たな試みを持って、繊維構造の精密制御を目指す。紡糸された繊維に二次的な延伸作用を与えるため、機械的延伸および電界延伸の2つの機構に基づく延伸作用を及ぼすことが可能となる延伸機を導入し、完全伸びきり鎖結晶からなるナノファイバーの作製を目指す。得られたナノファイバーの単繊維精密構造解析を、放射光施設を利用したマイクロビームX線回折、透過型電子顕微鏡による電子線回折、および顕微分光法などにより行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
装置の製作が次年度に持ち越したことで、そのための費用についても次年度に繰り越すこととなった。また、当初自作を予定していたところを、業者への製作委託に変更したため、装置製作に必要となる費用が当初の予定よりも大きくなっており、平成25年度研究費の一部と合せる必要がある。
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