研究概要 |
異種の遷移元素間の相互作用の解明および新たな磁性発現の検証を目的として、II-VI族半導体に2種類の遷移元素を添加した四元系混晶薄膜の磁性を調べた。CdTeにMnとCrを同時に添加した(Cd,Mn,Cr)Teでは、三元系の(Cd,Mn)Teでは反強磁性的であったMn間の相互作用が、僅かな量のCrの添加により強磁性的に変化し、MnとCrの同時添加により強磁性が増強されることが明らかとなった。一方、ZnTeにCr, Feを添加した(Zn,Cr,Fe)Teでは、Cr組成一定のもとでFe組成の増加に伴い、飽和磁化は減少する一方、保磁力は増加し、CrとFeと間の反強磁性相互作用を示唆する結果が得られた。
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