研究課題/領域番号 |
24656022
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
山根 宏之 分子科学研究所, 光分子科学研究領域, 助教 (50402459)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 有機エレクトロニクス / 軟X線発光分光法 / 電子状態 |
研究概要 |
機能性物質やそのデバイスの多くは、電場・磁場などの外部摂動を受けることでその物質固有の物性が発現する。このような物性が発現している「その場」におけるフェルミエネルギー近傍の電子状態は基礎的にも応用的にも重要な知見だが、一般的な光電子分光法などでは原理的に計測が困難である。この問題を解決するため、本研究では軟X線発光分光法(XES)を応用した研究を行う。XESは内殻励起の中和過程で放出される発光軟X線を計測するバルク敏感な手法なので、電極の存在や電場・磁場の影響を受けずに電子状態評価が可能である。この特徴を利用して、動作環境におけるトランジスタや太陽電池などの有機デバイスのフェルミエネルギー近傍の電子状態を「その場」観測できる方法論を確立する。 平成24年度は、有機デバイス動作環境下の電子状態計測が可能なXES測定システムを開発した。有機トランジスタのような試料に電圧を印加する測定システムについては開発が完了している。一方、有機太陽電池のような試料に紫外-可視-近赤外光を照射する測定システムについては、必要な物品が納入されたため、現在開発を進めている段階である。 これらの装置開発を行う一方で、有機超伝導が発見されたポタジウムドープピセンのフェルミ準位近傍の局所価電子状態をXES測定によって観測した。この結果から、ポタジウムドープピセンの超伝導発現機構には炭素とポタジウムの混成軌道が重要な役割を担っていることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ当初の計画通りに研究が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
研究が順調に進んでいるため、引き続き、研究計画に沿った研究を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
購入物品の価格変動により直接経費次年度使用額が発生した。次年度の真空物品(消耗品)に充当させる予定である。
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