研究課題/領域番号 |
24656029
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小林 伸彦 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (10311341)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 熱伝導 / ナノワイヤ / 理論 |
研究概要 |
原子レベルからナノワイヤの熱伝導特性を理論的に解明することを目的としている。そのための理論的方法論の開発を行っている。この研究は独自開発した数値計算プログラム群をコンピュータ上で実行して数値シミュレーションをさせることによって遂行される。そのため、まず、数値計算プログラム整備、試験計算、データの可視化のためのPCを購入し、計算機環境を整えた。その上で、非平衡グリーン関数法を用いた原子レベルからの熱伝導解析プログラムを整備し、シリコンナノワイヤ、ダイヤモンドナノワイヤ、カーボンナノチューブの熱伝導特性解析に応用した。そこで、熱伝導度におけるナノワイヤのサイズ効果、温度依存性、原子レベルでの欠陥の効果、その位置依存性を明らかにするとともに、量子効果として量子化熱伝導の現れる温度を解析し、物質依存性やそのミクロな機構を解明した。また、通常の熱伝導の描像から量子化熱伝導への遷移を原子レベルからの詳細な理論によって解析し、簡単な理論モデルを作成することによって一般的な振る舞いを明らかにした。次に、金属半導体界面の熱伝導解析を行い、界面熱抵抗について明らかにした。さらに、密度汎関数法を用いた第一原理電子状態計算から原子間ポテンシャルを導く方法論や非調和項のための方法論を開発し、様々な原子に対して様々な散乱機構を含んだ熱伝導特性解析を可能とした。これらの研究成果を学会にて発表するとともに、論文投稿を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題は、原子レベルからナノワイヤの熱伝導特性を理論的に解明することを目的としている。その理論的方法論において第一原理電子状態計算から原子間ポテンシャルを導く方法論を開発し、当初予定していた簡単な原子間ポテンシャルのみならず、様々な原子に対して熱伝導特性解析が可能となり、当初の計画以上に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
非平衡グリーン関数法を用いた熱伝導解析理論を発展させ、ナノワイヤの熱伝導特性を解析する。ナノ系ではフォノンの閉じ込め効果により熱を輸送するフォノンモードが制限され、バルクの熱伝導度とは異なる値をもつが、申請課題による方法論により、原子レベルから理論的にナノワイヤの熱伝導特性を解析し、散乱機構の解明と熱伝導制御のための理論的指針を作成する。特に、ナノワイヤの表面、および異種原子との界面のラフネス、歪みによる熱伝導への影響を明らかにする。一般に原子レベルでの欠陥が大きく輸送特性に影響を与えることが知られている。そのため、表面や異種原子との界面における乱れ、歪みの影響を原子レベルから解明する。さらに、欠陥による散乱、フォノンフォノン散乱の共存競合による支配的な散乱機構、バリスティック伝導から拡散伝導までの変化、平均自由行程とその温度依存性を明らかにすることによって、原子レベルからの熱伝導制御法を探索する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の予定を超えた理論的方法論の開発が進み、そのための数値計算プログラム作成に時間を費やしたため、昨年度の研究費の使用が計画額より抑制された。今年度はこの方法論を用いた応用計算の実行や成果発表のためにPC、旅費、謝金、成果発表費等の予算を使用する。
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