レーザ干渉計を用いた粒界厚さなど評価および微細な結晶組織をもつ氷による力学的特性に及ぼす結晶粒界の影響を調べることを目的として研究を実施した。レーザ干渉計による手法は主として計測の安定化に徹した。微細結晶組織をもつ氷は、相変化を利用した方法で、平均結晶粒径0.01㎜程度の氷試料の作成に成功した。この氷試料の一軸圧縮試験を行った。歪速度は、通常の粒径をもつ氷試料に比べ、数百倍高速であることが分かった。また、歪-歪速度線図は、通常の結晶粒径の試料では歪量が数%で表れる最小歪速度が、10%となっても表れないなど、傾向が異なった。これらより、粒界が力学的性質に大きく寄与していることが示唆された。
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